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角田光代の「しあわせのねだん」かなり良いので読んでほしい。

こんにちは、にこたです🧸

突然ですが誰にでもおすすめできる本ってありますか?

書店員なので常にそういうストックは持っておくべきかなと思ってうんうん唸りながら色んな5mm厚くらいの小説を日々読み漁っているんですが、ようやっとおすすめが見つかったのでシェアします。とはいえ当店の在庫は残り一冊なのですが…

おすすめの一冊はタイトルにある通り角田光代の「しあわせのねだん」です。

この本、目次を見てもらうとわかる通り角田さんがいろんなものをいろんな値段で買った記録が書いてあるんです。

冷蔵庫とかすべすべクリームとか。

それで、タイトルがやはり「しあわせのねだん」なのでそれを買ってしあわせになったかどうかとか買うまでのいきさつなんかが書かれているんですが、必ずしも何かを購入して幸せになったわけでもないけどまあいっか~とか、すごく欲しいものというわけでもなかったけど存外しあわせが手に入ったなあみたいなことがゆる~く書かれていてとてもいいです。

だれも傷つけない話だし、ほっこりするというわけでもないので「ほっこり系っていう響きがあんま好きじゃない」っていう方にもいいですよ。ところどころ「あ~わかる…」と思えるのも良い。

読書大好きだぜ!何時間でも本読める!という方には最初から読んでもらっても良し、時々本読むのしんどいけど読みたい気持ちだけはある…という方には目次の中で目に付いたものだけを読むという読み方も良いと思います(わたしは後者なので…。)

さて、そんな幸せをテーマにしたお買い物日記ですが、こういうジャンルでいっぱいいろんな人のお買い物日記が読みたいな…ウギギ…と思ったので先陣を切ってわたしの「しあわせのねだん」風お買い物日記を書いてみようと思います。


・「陶器の汚れ取りスポンジ」 ¥380-

普段あまり来ない宅配ロッカーがあるドラッグストアに宅配物を取りに来て、しかし宅配物を受け取ったらドラッグストアの中を快適に見られないなと思ってドラッグストアの中を回遊していた時に見つけたものだった。

縦2cm横1.5cmの小さいスポンジでその割に良い値段がするので「そこまで言うんなら相当すごく取れないとこの値段は許されませんよ」と謎の上から目線でレビューを調べてみることにした。化粧品だったり、買ったことのないものを買おうか迷う時によくわたしはレビューに頼る。ひとつでも星1の評価があればそのコメントの正しさを精査して「たしかにそういう可能性があるなら買わない方がいいな」などと思ってしまう。

そもそもなんで陶器の汚れ取りスポンジが気になったかというと職場のトイレ掃除担当になってからというもの、普通の掃除やメラミンスポンジではどうにもならない汚れが妙に気になったのだ。

調べてみるとAmazonレビューが星5で7件のコメントがついていた。これは強い。買い替えるか迷っていたぐらいの便器が新品同様になったとかそういうレビューもあり、ははあそれが本当なら380円の価値もありそうだなと思った。それでもうちの便器の汚さを舐めてもらっては困るのですが???とも思っていたので半信半疑の思いで買った。

早速職場のタンクの水受けの掃除をした。かなり…すごいぞ…これは。メラミンスポンジ以上に汚れが取れるものってあったんだ…というきもちで完全に水受けが綺麗になった。もはや水垢の一つもない。

削る面が少々だめになってきたところで便器の掃除をすることにした。正直、便器ブラシで掃除しているようなところに手を突っ込むのはかなりの勇気がいる。心を無にしつつええいとスポンジで擦り始めた。うわあと思っていたのは最初のうちだけで面白いほど取れることに気を取られて便器をいかにピッカピカにするか(見逃した凶悪な汚れがないか)を熱心に探しては磨き、そんなことでほぼ一日の労働時間が消えた。

結果的にレビューにあった通り新品同様のピカピカ度になったので会うスタッフそれぞれに自慢したがあまりなんの感想もなかった。けれども毎日のトイレ掃除で「我ながら綺麗なトイレだな…」と思う機会が生まれたので良いこととしたい。できれば「めっちゃ便器きれいになってない!?」とか言われたいけど。

それで勤務が終わってから調べてみたらこのスポンジはわりと用途が細かく色んな種類のスポンジが発売されていた。メーカーのお掃除グッズ担当者の執念にも似た何かを感じる。今度はシンクのうろこ取り用のものも手に入れたいところだ。もういくらだって払う。そして職場のシンクを目が痛いくらいピカピカにしたい。今度こそ一人くらい気づいてほしいなと思う。


どうですか、概ね「しあわせのねだん」に似た感じです。

こういうかんじです。悪くはないねと思った方はぜひ目次だけでも読んでみてください。ひとつも気にならないなんてことはないと思います。

ちなみに今のところ角田光代のエッセイは最高!!!と思っているのですが、小説はあらすじを読んで「…ふう、疲れたな」と思ってしまうので元気な時に読んでみようと思います。

でも今後もたまにはエッセイ出してほしい。

そんな気持ちです。

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